初回3失点も崩れなかった。山本由伸が見せた”エースの修正力”とメジャートップの5戦連続QS
「初回は本当にダメだった」——それでも崩れない理由
また一つ、歴史に刻まれる瞬間が訪れたかもしれない。
ドジャースの山本由伸が先発したこの試合、立ち上がりから波乱の展開だった。初回にまとめて3点を奪われ、マウンド上の山本の表情にも険しさがにじんだ。試合後のコメントで本人が「初回は本当にダメだったんですけど…」と振り返ったように、決して完璧な内容ではなかった。ところが2回以降、山本は別人のようにギアを切り替える。
2回から7回まで、相手打線をほぼ完全に封じ込めた。途中には11者連続アウト——つまり11人のバッターを続けて打ち取るという圧巻の場面も。初回の乱れが嘘のような、まさに別次元の投球だった。
結果として7回3失点でゲームを作り、いわゆる「クオリティスタート(QS)」を達成した。QSとは、6回以上を投げて自責点(投手の責任とされる失点)が3点以内に収まること。先発投手の安定度を測る重要な指標だ。援護がなく今季2敗目という悔しい結果になったものの、投球の中身は確実に光るものがあった。
ロバーツ監督が絶賛した「エースである理由」
この試合でひときわ注目を集めたのが、ドジャースのロバーツ監督のコメントだ。指揮官は試合後、山本の投球について「エースである理由がわかる」と力強く語り、「本調子ではない中でも7回を3失点でまとめたことが、彼の凄さを物語っている」と絶賛した。
プロの世界では、調子のいい日に好投するのは当たり前。真のエースは、状態が悪いときでもゲームを崩壊させない。初回にいきなり3点を失いながらも、そこから立て直してチームに最低限の可能性を残し続けた山本の姿は、まさにその定義そのものだった。
5試合連続のQSというのは、単なる個人記録ではない。今季のメジャーリーグ全投手の中で最多タイという事実が、山本の安定感がいかに突出しているかを示している。日によって波があるのが投手というもの。それでもシーズンを通じてコンスタントに結果を出し続けることは、技術だけでなくメンタルの強さも問われる。
惜しむらくは援護点。山本が丁寧にゲームを作り続けても、打線がその苦労に応えられなければ白星にはつながらない。この試合もまさにそのケースで、本人にとっては歯がゆさの残る敗戦だっただろう。ただ、それでも7回のマウンドに立ち続けたこと自体、チームへの大きなメッセージになる。
次回登板ではどんな立ち上がりを見せるのか。初回の修正が加われば、さらに手がつけられない投球になる可能性は十分にある。山本由伸のシーズンは、まだまだこれからだ。
出典: Yahoo!ニュース
