グラウンドの外でも輝く山本由伸、藤沢の児童養護施設を訪問していた事実が明らかに
グラウンドの外でも、彼の話題は尽きることがない。
ロサンゼルス・ドジャースのエース、山本由伸投手が今年2月、神奈川県藤沢市にある児童養護施設(親と一緒に暮らせない子どもたちが生活する施設)を訪問していたことが明らかになった。施設側が公式サイトに感謝のメッセージを掲載したことで、この心温まるエピソードが広く知られるようになった。
メジャーリーグのシーズン開幕を目前に控えた多忙な時期だったはず。それでも、あえてこの時間をつくったという事実が、山本の人間性をありありと物語っている。
静かに、でも確かに届けた温かさ
山本由伸といえば、日本プロ野球時代にオリックス・バファローズで数々のタイトルを獲得し、2024年からドジャースに移籍した右腕投手だ。メジャーリーグ史上最高額クラスの大型契約(総額3億2500万ドル、日本円にして約500億円規模)で渡米したことは記憶に新しい。
それほどのスーパースターが、カメラもマイクもない場所で子どもたちのもとを訪ねた。公式の慈善活動として大々的にアナウンスされたわけでもなく、施設側が感謝の気持ちを自分たちのサイトに綴ったことで初めて世に出てきた話だ。むしろ、そのさりげなさこそが胸に刺さる。
子どもたちにとっては、どれほどの驚きだっただろう。テレビや新聞で見ていたあの山本由伸が、目の前に現れる。言葉にならない興奮と喜びが、施設に広がっていたに違いない。
「強さ」の奥にある、もうひとつの顔
日本のプロ野球ファンの間では、山本由伸はどこか「クールで寡黙な完璧主義者」というイメージが強い。マウンド(投手が球を投げる場所)での集中力は凄まじく、感情を表に出すことが少ない選手でもある。
だが今回のエピソードは、そんなイメージに新たな色を加える。派手さとは無縁の、温かく静かな利他の精神。自分の名前を使って誰かを笑顔にできるなら、という純粋な動機が透けて見えるようだ。
移籍1年目の2024年シーズンは開幕直後に肘の手術を余儀なくされ、長期離脱という苦い経験もした。復帰後、マウンドに戻ってきた山本の姿にファンは熱狂したが、リハビリの日々がどれほど孤独でつらかったかは想像に難くない。そういう経験を経た人間が、苦しい立場にいる子どもたちのそばに行くことを選んだ——その重みは、決して軽くない。
野球選手の「すごさ」は、数字だけでは測れない。球速でも防御率(投手の成績を示す数値)でも勝利数でもなく、ふとした行動の中に本当の人間性が宿ることがある。山本由伸は、グラウンドの内側でも外側でも、本物の姿を見せてくれる選手だ。
今シーズン、完全復活を目指すドジャースのエースとして、彼がマウンドに立つ姿が今から楽しみでならない。
出典: Yahoo!ニュース
