山本由伸、逆転3ランで今季3勝目を逃す——それでも信じたい「復活」の予兆
あと一歩で届かなかった、今季3勝目
グラウンドの外でも、彼の話題は尽きることがない。
ドジャースの山本由伸が先発マウンドに立つ日は、日本のファンにとって特別な朝だ。時差の関係でリアルタイム観戦はなかなかハードだが、それでもスマホを片手に結果を追い続けている人は多いはず。今日もそんなファンの期待を背負って、山本はマウンドへ上がった。しかし、試合は思い通りには運ばなかった。
この試合、山本は5イニング(野球では9回まで戦う試合の中で、投手が担当する回数のこと)を投げ、4点を失って降板。勝ち投手の権利(先発投手が勝利をつけてもらうには、最低5イニングを投げて降板時点でリードしている必要がある)は一度は手に届きかけたが、最後まで手の中には残らなかった。
最大のピンチとなったのが、逆転3ランホームラン。3ランとは、塁上に2人のランナーがいる状況で放たれたホームランのことで、一気に3点が入る野球における最大級の一撃だ。リードしていた試合の流れを、その一球がまるごとひっくり返してしまった。ベンチで帽子を深くかぶり直す山本の姿が目に浮かぶようで、見ているこちら側まで悔しさがこみ上げてくる。
「本来の山本」はどこにいるのか——数字の奥にある現実
今季の山本をめぐっては、正直なところ歯がゆい思いをしているファンも多いだろう。昨季は右肘の故障で長期離脱を余儀なくされ、復帰後もなかなか本来の投球スタイルを取り戻せていないという声がある。今日の登板も、5回途中で踏みとどまれたこと自体は悪くない——そう前向きに見ることもできる。
ただ、山本由伸という投手のポテンシャルを知っているからこそ、物足りなさを感じてしまうのも正直な気持ちだ。日本時代、彼は「令和の怪物」とも称され、NPB(日本プロ野球)で三冠王(最多勝・最優秀防御率・最多奪三振)を何度も獲得した本物のエース。その投手が、メジャーの舞台でまだ真価を発揮しきれていない。焦りは禁物だとわかっていても、どうしても期待のハードルが上がってしまう。
とはいえ、5回まで試合を作りながらも逆転を許したという事実は、裏を返せば「あと少し」の話でもある。3ランという一発さえなければ、試合の行方は違っていたかもしれない。野球はそういうスポーツだ。一球の怖さ、そして一球の面白さが凝縮された結果とも言える。
ドジャースというチームは大型補強で豪華なロスターを誇るが、山本への期待は変わらず大きい。チームがポストシーズン(シーズン後に行われる優勝決定トーナメント)を見据えるうえで、彼がローテーション(先発投手陣の登板順)の柱として機能するかどうかは、チームの行方にも直結する。
次の登板で、今度こそ3勝目——そのシンプルな目標に向かって、山本由伸がどんな投球を見せてくれるか。グラウンドでの彼の答えを、じっくり待ちたいと思う。
出典: MLB.com
